広島市の空き家解体補助金、使える人・使えない人【2026年度】
空き家の解体を考えている方から、裕美工業にもよく「補助金は使えないの?」とご質問をいただきます。ご自身で調べてから相談に来られる方も多くいらっしゃいます。
先に結論をお伝えすると、広島市の空き家の解体補助金は、上限50万円です。ただし対象になるのは、倒壊のおそれがあり、道路のすぐ近くに建っている空き家に限られます。2026年度の予定件数は18件程度です。申込みは毎年5月の事前申込みから始まり、予定件数に達しなければ、その後も先着順で受け付けます。
この記事では、2026年度(令和8年度)の広島市の制度について、使える人・使えない人の条件、補助額の計算例、申込みから受け取りまでの流れを解説します。
広島市の空き家解体補助金とは
広島市の空き家の解体補助金は、正式には「広島市老朽危険空家等除却補助制度」といいます。老朽化して倒れるおそれがあり、通行人に危険が及ぶ空き家の解体費用の一部を、市が補助する制度です。
| 項目 | 2026年度(令和8年度)の内容 |
|---|---|
| 補助額 | 上限50万円(計算方法は後述) |
| 対象 | 倒壊のおそれがあり、道路の近くにある戸建住宅の空き家 |
| 申込み | 事前申込みは2026年5月15日〜29日(多数の場合は抽選)。予定件数に達しなければ、6月1日から先着順 |
| 予定件数 | 18件程度 |
| 問い合わせ | 広島市 都市整備局 指導部 建築指導課 第二指導係(082-504-2288) |
事前申込みで予定件数に達しなかった年は、6月以降も先着順で受け付けます。ただし予定件数に達した時点で、その年度の受付は終わります。今申し込めるかどうかは、広島市のページで確認するか、建築指導課に問い合わせてください。
補助金を使える人(対象になる条件)
補助金を使えるのは、次の条件をすべて満たす場合です。
- 広島市内にある戸建住宅であること。長屋や、店舗などとの併用住宅も含まれます。住宅の附属物もあわせて対象です
- 市の「老朽危険空家等の評価」で100点以上であること。建物の傷み具合を市が調べて点数をつけます
- 道路のすぐ近くにあること。平屋や2階建てなら道路までの距離が3m未満、3階建て以上なら6m未満です
- 申し込むのが建物の所有者であること。所有者が複数いる場合は、ほかの所有者全員の同意が必要です。抵当権など、所有権以外の権利を持つ人がいる場合は、その人全員の同意も必要です
- 広島市の市税を滞納していないこと
- 解体業者に工事を依頼すること

相続した実家で所有者が兄弟など複数いる場合は、全員の同意がそろっているかを先に確認しておきましょう。
相続した実家の解体の進め方は、「実家の解体、何から始める?片付けから手続きまで7つの手順【広島】」で詳しく紹介しています。
補助金を使えない人(対象外になるケース)
次のような場合は、補助金の対象になりません。
- 道路から離れた場所に建っている空き家。倒れても通行人に危険が及びにくいためです
- 傷みが少ない空き家。市の評価が100点に届かない場合です
- 小屋・倉庫・車庫・蔵だけの解体。この制度の対象は住宅です
- 補助金の交付が決まる前に、解体業者と契約したり工事を始めたりした場合
- ほかの公的な補助制度と一緒に使う場合
- 空き家対策の法律にもとづく措置命令を、すでに受けている場合
- 公共事業の立ち退きで補償を受ける場合や、不動産会社などが事業として解体する場合
- 工事完了から40日以内、かつ年度内(2月末日まで)に完了の報告ができない場合
広島市の交付要綱や案内には、解体した後に建て替えるか、土地を売るかといった跡地の使い道についての条件は書かれていません。ただし、補助金の交付が決まる前に解体工事の契約はできないため、建て替える場合は、新しい家の工事の日程も補助金の日程に合わせる必要があります。そのほか細かな条件は、申し込む前に広島市の建築指導課に確認してください。
空き家を放置した場合の行政の指導や措置命令は、「空き家を放置するとどうなる?特定空家・管理不全空家とは【広島】」で詳しく紹介しています。
補助額はいくら?計算例
補助額は、次の2つのうち低い方で、上限は1棟あたり50万円です(1,000円未満は切り捨て)。
- 解体工事費の3分の1
- 国が定める標準除却費(木造は1㎡あたり3万6,000円、非木造は5万1,000円)× 延べ面積 × 10分の8

補助の対象になる工事費には、廃材の運搬・処分の費用は含まれますが、地中に埋まっている物の撤去費用は含まれません。消費税は、事業をしていて消費税の仕入税額控除を受けられる方を除き、含めて計算します。
木造30坪(約99㎡)の住宅で、解体工事費が税抜130万円(税込143万円)の場合を計算してみます。
| 計算 | 金額 |
|---|---|
| ① 工事費の3分の1:143万円 ÷ 3 | 47万6,000円 |
| ② 標準除却費:3万6,000円 × 99㎡ × 0.8 | 約285万円 |
| 補助額(①と②の低い方、上限50万円) | 47万6,000円 |
一般的な木造住宅では、①の「工事費の3分の1」で決まることがほとんどです。工事費が税込150万円以上(税抜でおよそ136万円以上)なら、補助額は上限の50万円になります。
裕美工業の見積もりの出し方
裕美工業では、補助金を使う前提の見積もりはお出ししていません。まず通常の見積もりをお出しし、補助金が使えそうな場合は「採択されたら、実際のご負担はこれくらいになります」とお伝えしています。
補助金は申込みが多ければ抽選で、必ず使えるとは限らないためです。補助金が通らなかったものの、そのまま解体を進めたお客様もいらっしゃいます。
申込みから補助金を受け取るまでの流れ
広島市の補助金は、おおむね次の流れで進みます。
- 事前協議・申込み(2026年度は5月15日〜29日。多数の場合は抽選。予定件数に達しなければ6月1日から先着順)
- 市による現地調査(老朽危険度の評価)
- 補助金の交付申請
- 市の審査・交付決定
- 交付決定の通知が届いてから、解体業者と契約・工事
- 完了実績報告(工事完了から40日以内、かつ年度内の2月末日まで)
- 市の審査・補助額の確定
- 補助金の請求・受け取り(指定した口座に振り込まれます)
補助金は工事が終わった後に受け取ります。解体工事の代金は、いったん全額を支払う必要があります。

申込みの時期と工事の期限
この補助金で一番注意したいのは、日程です。2026年度の事前申込みは5月の約2週間で、その後は予定件数に達するまで先着順で受け付ける仕組みです。交付が決まる前に契約や工事を始めると対象外になり、工事は交付が決まってから始め、年度内に終える必要があります(完了の報告は工事完了から40日以内、かつ2月末まで)。
そのため、「すぐにでも壊したい」という場合は、補助金の日程と合わないことがあります。裕美工業では、時期と状況を見て使えそうな場合はご提案し、日程に余裕のある方には申込み時期に合わせて解体を計画していただいています。
申込みが年度の後半になるほど、市の現地調査や交付決定を待つ間に、2月末までに工事を終えるための時間が短くなります。先着順の受付に申し込む場合は、早めに市と解体業者に相談しましょう。次の年度の募集内容は、広島市のページで案内されます。
申請の手続きは誰がするのか
補助金を申請するのは、建物の所有者ご本人です。市とのやり取りも、原則としてご本人に行っていただきます。
交付申請で提出する主な書類は、次のとおりです。
- 交付申請書、工事の計画書
- 登記事項証明書など、所有者が分かる書類
- 市税の納税証明書(滞納がないことの証明)
- 空き家の付近見取図・配置図・外観写真
- 解体業者の見積書
- 所有者が複数の場合は、ほかの所有者全員の同意書
消費税の課税事業者の方は、課税事業者届出書も必要です。書類の様式は、広島市のページからダウンロードできます。
裕美工業では、見積書や工事の計画書を準備するほか、付近見取図・配置図・外観写真の作成もお手伝いしています。
アスベストの除去にも補助がある(対象は吹付けアスベスト)
広島市には、建物のアスベストの調査や除去に使える補助もあります(広島市民間建築物吹付けアスベスト除去等補助制度)。
| 項目 | 2026年度(令和8年度)の内容 |
|---|---|
| 対象 | 吹付けアスベスト、アスベストを含む吹付けロックウール |
| 分析調査 | 費用の全額(上限25万円) |
| 除去工事など | 費用の2分の1(上限100万円) |
| 申込み | 2026年5月15日〜29日。予定棟数に達しなければ、6月1日から先着順。事前協議が必要で、契約後は申し込めない |
ただし対象は、天井や壁などに吹き付けられたアスベストです。一般的な住宅の外壁材や屋根材などの「成形板」は対象外です。木造住宅の解体で見つかるアスベストの多くは、この補助の対象にならない点に注意してください。

解体前のアスベストの事前調査の流れや費用は、「アスベストの事前調査とは?解体前の義務と費用・期間【広島】」で詳しく紹介しています。
広島市以外の県内の市町の補助金
広島県内では、広島市のほかにも呉市、福山市、東広島市など19の市町が、空き家の解体に使える補助制度を設けています。呉市や東広島市などには、空き家に残った家財道具の処分に使える補助もあります。
対象の条件や金額、受付の時期は市町ごとに違います。広島県がまとめている一覧で、お住まいの市町の制度を確認してください。
国の補助金はある?
国にも空き家対策の補助事業(国土交通省の空き家対策総合支援事業など)があります。ただし、国が市区町村の空き家対策を支援する仕組みで、所有者は市区町村の補助制度を通じて補助を受けます。個人が国に直接申し込むものではありません。国土交通省の空き家対策特設サイトでも、解体の補助は市区町村のウェブサイトや窓口で確認するよう案内されています。空き家の解体に補助を使いたい場合は、まず建物がある市区町村の制度を確認しましょう。
なお、補助金を受け取った場合の税金の扱いは、税務署や税理士に確認してください。
補助金が使えない場合の費用の抑え方
補助金の条件に当てはまらなくても、解体費用を抑えられることがあります。例えば、解体後に駐車場にするなど土地の使い方が決まっていれば、地中の埋設物を残せる場合があります。ブロック塀などの外構も、すべて撤去せずに一部を残すことができます。

解体費用の相場や、費用を抑える方法は、「家の解体費用の相場は?坪単価の目安と追加費用が出るケース【広島】」で詳しく紹介しています。
まとめ
この記事でお伝えしたポイントは、次の5点です。
- 広島市の空き家解体補助金は上限50万円。補助額は多くの場合「工事費の3分の1」で決まる
- 対象は、市の評価が100点以上で、道路まで3m未満(2階建てまで)の戸建住宅
- 申込みは5月の事前申込みから。予定件数に達するまでは先着順で受付(今申し込めるかは市のページで確認)。交付が決まる前に契約・着工すると対象外
- 申請するのは所有者本人。見積書などの書類は解体業者が用意する(裕美工業では配置図や外観写真の作成もお手伝いできる)
- アスベストの補助は吹付けアスベストが対象で、一般的な外壁材などは対象外
補助金が使えるかどうか分からない場合も、まずは解体費用の見積もりから始めてみてください。裕美工業では見積もりは無料で、使えそうな制度があればあわせてご提案します。
裕美工業の解体工事
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